建築物防災週間に関すること
令和8年3月1日から3月7日は令和7年度春季の「建築物防災週間」です。
災害による建築物の被害や人的被害を防止するため、日頃から建築物の適切な維持管理による防災対策が重要です。
建築物の防災に関する取組
(1)住宅・建築物の耐震化
住宅・建築物の耐震診断・耐震改修
令和6年能登半島地震における住宅・建築物の倒壊等の被害を踏まえ、住宅金融支援機構において「リ・バース60」を活用した高齢者向けの耐震改修融資の無利子化・低利子化を行っています。
また、耐震化の啓発に関する地方公共団体の優良な取組事例等を紹介する「木造住宅の安全確保方策マニュアル」を策定・公表しています。
さらに、平成12 年以前に建築された木造住宅を中心に耐震性を検証する方法として「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」が公開されています。
建築物の耐震診断、耐震改修を行いましょう。
天井などの非構造部材の耐震対策
天井や内外装壁などの非構造部材については、これまでの地震でも天井板や内外壁の落下、ガラスの被害等が見られています。これら非構造部材の被害防止のため、既存建築物の非構造部材の耐震対策を行いましょう。
特に、既存不適格の特定天井については、地震時の天井脱落による重大な危害を防止するため、耐震対策をすることが重要です。
建築物に附属するブロック塀等の安全対策
地震による塀の倒壊は、死傷者を生じさせるおそれがあるばかりでなく、地震後の避難や救助・消火活動にも支障をきたすおそれがあり、その安全対策は極めて重要です。
塀の安全点検をし、危険な場合は安全対策を行いましょう。
(2)防火対策の徹底
既存不適格建築物等の安全性確保
令和3年12 月17 日に大阪市北区で発生したビル火災では、唯一の避難経路である階段付近から出火し、多くの在館者が逃げ遅れたことで、多数の人的被害が生じました。
火災建物は昭和44 年に着工しており、建築時において2以上の直通階段の設置等が求められていなかったと考えられること等を踏まえ、国土交通省では、「直通階段が一つの建築物等向けの火災安全改修ガイドライン」(令和4年12 月16 日付け国住指第349 号別紙)(令和6年4月最終改訂))を策定しています。
直通階段が一つの建築物は避難上の安全が確保できるよう改修を行いましょう。
用途変更等に係る建築確認手続き
平成30 年1月に北海道札幌市の寄宿舎において発生した火災により、死者11 人、負傷者3人の犠牲が生じました。
当該寄宿舎は建築基準法に基づく建築確認申請を行うことなく用途変更等を行った建築基準法令違反の疑いがある建築物でした。
建築、大規模の修繕・模様替え、用途変更等を行う場合には建築確認の手続きが必要か確認し、適正な手続きを行いましょう。
(3)建築物の風水害対策
建築物の水災害対策
近年、全国各地で水災害が激甚化・頻発化しています。
被害対象を減少させるための対策として、よりリスクの低い区域への居住、住まい方の工夫等による居住地の安全対策に取組むことが有効です。
さらに、建築物における電気設備の浸水対策については、「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」の活用し、建築物における電気設備の浸水対策を行いましょう。
建築物の強風対策
近年の台風被害を踏まえ、瓦の緊結方法に関する告示(昭和46 年建設省告示第109 号)を改正し、令和4年1月1日に施行しています。
既存の住宅等で屋根の耐風性能が十分でないものは強風時に周囲の建築物に被害を及ぼすおそれがあるため、同告示に基づく強風対策を行いましょう。なお、同対策は地震時の屋根瓦の飛散防止としても有効です。
(4)エレベーター等の安全対策の推進
戸開走行保護装置の設置等
調査結果によると、令和6年度に定期報告のあった全国のエレベーター約78 万台のうち、40%に当たる約31 万台で戸開走行保護装置が設置されていますが、依然として、約6割のエレベーターは戸開走行保護装置が設置されていない状況です。
戸開走行保護装置が設置されていない民間建築物のエレベーターの所有者等は、保守・点検、定期検査・報告等のあらゆる機会を捉え、早期に設置を行いましょう。
また、対応する戸開走行保護装置の開発が遅れている等のやむを得ない事情により、戸開走行保護装置を当面設置することが難しいエレベーターの所有者等は、設置までの措置として、ブレーキスイッチや温度ヒューズ等の設置を検討しましょう。
なお、これらの装置は戸開走行事故の防止には一定の効果がありますが、戸開走行保護装置と比較して十分な対策とは言えないため、ブレーキスイッチ等を設置するのはあくまで戸開走行保護装置を当面設置することが難しい事情がある場合に限るとともに、ブレーキスイッチ等が設置された場合であっても、戸開走行保護装置を早期に設置しましょう。
地震時における閉じ込め防止
平成30 年の大阪府北部地震においては、346 台の閉じ込めが発生し、729 件の故障・損傷が確認されるなど大きな被害が発生しました。
この度の令和6年能登半島地震においても、閉じ込めが発生しています。
地震時における閉じ込めや故障・損傷等への対策として、既設エレベーターの防災対策改修を行いましょう。
定期報告の的確な実施等
令和元年12 月2日に京都府京都市内で発生したエレベーターの戸開走行事故においては、事故原因となった部品に関して保守点検で把握した異常や、その対応結果を所有者に報告していなかったことから、異常の原因を確認するまでに至らず、事故発生につながった可能性が考えられます。
保守点検で確認した不具合やその対応結果に係る情報を所有者・管理者が漏れなく認識するためにも、検査者は定期報告において、定期検査報告書(別記第36 号の4様式)第三面「昇降機に係る不具合の状況」欄に、保守点検で把握した事象や部品の交換履歴を含めた詳細な対応記録を記載することを徹底しましょう。
エレベーター等の適切な維持管理
所有者及び管理者が昇降機の適切な維持管理のためになすべき事項、保守点検業者の選定にあたって留意すべき事項等をとりまとめ、「昇降機の適切な維持管理に関する指針」及び「エレベーター保守・点検業務標準契約書」を策定し、平成28 年2月19 日に公表しています。
この指針は、エレベーター等の利用者に円滑な運行と安全・安心な利用環境を提供できるよう、所有者、管理者、保守点検業者及び製造業者のそれぞれが役割を認識し、適切に維持管理を行うための具体的方策を示すものです。
令和6年度に実施した同指針の改訂では、建築基準法等の関係法令の改正を受けた見直しを行うとともに、エスカレーターにおける利用者の転倒などの事故発生時の初動対応として、エスカレーターを速やかに停止させることを明記しました。
所有者及び管理者、製造業者及び保守管理業者はこれらを活用し、エレベーター等の適切な維持管理を行いましょう。
エスカレーターの安全な利用
エスカレーターにおける歩行やカート(ベビーカー、シルバーカー等)の使用は、利用者自身がバランスを崩して転倒する、他の利用者と接触して転倒させてしまう、カートのひっかかりにより転倒するといった事故を発生させかねない危険な行為です。
エスカレーターの利用にあたっては、立ち止まって利用する、手すりを持つ、カートなどを使用して乗らないということが重要です。
また、利用者の転倒などの事故発生時の初動対応として、エスカレーターを速やかに停止させることも必要です。
そのため、国土交通省では、関係機関等と連携し、全ての方が安心してエスカレーターを利用できるよう、安全な利用を促す周知活動に努めており、「昇降機の適切な維持管理に関する指針」においても、利用者に安全な利用を促すことを所有者・管理者の責任として明記しています。
所有者・管理者は利用者に安全なエスカレーターの利用を促しましょう。
遊戯施設の適切な維持保全
遊戯施設の維持保全の重要性に鑑み、「遊戯施設の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針」(令和4年国土交通省告示第412 号)を令和4年3月31 日に公布・施行しています。
遊戯施設の所有者・管理者は、当該指針に基づき維持保全に関する準則又は計画を作成し適切な維持保全を行いましょう。
(5)建築物の適切な維持保全の徹底
建築物等に対する定期報告の徹底
各建築物の所有者等は、定期報告制度の重要性について認識し、適正な定期調査・検査を実施しましょう。
あわせて、令和7年1月24 日に建築物調査員・建築設備等検査員の処分基準を公表しました。
所有者・管理者は調査員等が法令通りに検査していないなど、処分事由に該当する行為の情報を得た場合には、可能な限り証拠資料を収集し特定行政庁に報告しましょう。
建築物等の適切な維持保全等
昨今、老朽化や劣化が一要因となり木造共同住宅の屋外階段や煙突、木造のあずまやが倒壊する事故が起こり死傷者が発生しているほか、外壁や庇の落下事故も毎年一定程度発生しています。
また、令和7年9月30 日には、擁壁及び家屋が倒壊する事案が発生しました。
所有者・管理者は、経年劣化による老朽化や損傷が著しい建築物等を適切な維持保全し、必要に応じて専門家等に相談しましょう。
小規模な雑居ビル等の適切な維持保全
令和3年12 月17 日に大阪市北区で発生したビル火災を契機に行った緊急立入検査では、比較的小規模な雑居ビル等においても竪穴区画や直通階段等の建築基準法令違反や不十分な維持管理状態のものが一定数存在することが明らかとなりました。
比較的小規模な雑居ビル等においても、所有者は建築基準法令違反がないか確認をし、適切な維持管理を行いましょう。
(6)吹付けアスベスト等の飛散防止対策
建物所有者等は、アスベストの含有について調査等で把握し、吹付アスベスト等を含有している場合は飛散防止対策を行いましょう。
また、既存建築物が空き家となった場合は当該建築物等の所有者は適正な維持保全を行い、危険性が高い建築物については当該施設の使用を停止し、使用実態の調査・除去等の対策を行いましょう。
(7)工事現場の危害の防止の徹底
工事施工者等は、「建築物防災週間における防災対策(工事現場の危害防止)の推進について」(平成23 年8 月24 日付け国住防第4号)等における以下の危害防止策等の例を参考に必要な対策を講じましょう。
工事現場における事故を踏まえた危害防止策の例
- 除却工事における外壁等の倒壊を防止するため、
- 外壁は1枚壁(屏風状)にならないよう、L字又はコの字形に各辺偏りなく構造的に不安定にならないように残すこと。
- 外壁が構造的に不安定となる場合は、あらかじめ外壁の固定に適した複数の重機でつかんで押さえる場合であっても、十分な安全係数の逆転防止用ワイヤーロープを複数張るなどして外側への倒壊防止を徹底すること。
- 残っている壁は大割とせず、小割にて破砕すること。
- 杭抜き重機の解体作業においてケーシングが倒れないようにするため、適正な耐荷重のワイヤーを十分点検した上で使用するとともに、ワイヤーを傷めないようにケーシングの適正な位置にかけること。クレーンの腕(ブーム)の後方への倒壊を防止するため、過巻停止装置が正常に作動することをこまめに点検すること。
- 工作物についても、解体作業において敷地外への倒壊を防止するため、工事の各段階において構造的な安定性を保つよう、工法の選択、施工計画の作成及び工事の実施を適切に行うこと。
- 工事における危険箇所や作業方法等を作業員全員が共有するよう徹底するとともに、作業員等への安全教育の実施及び安全確認の徹底を図ること。
- 足場解体時の荷下ろし作業における公衆災害を防止するため、足場材の落下防止措置を講ずるとともに、防護ネット内にて荷下ろしができる計画を優先する等の措置を講ずること。
- アース・オーガー等の基礎工事用機械の転倒を防止するため、直近の天候も考慮して地盤の状況及び安全性の確認を徹底するとともに、適切な敷板、敷角等の敷設や地盤改良等の措置を講ずること。
- 解体工事において敷地外への外壁等の倒壊を防止するため、解体工事の各段階において構造的な安定性を保つよう、工法の選択、施工計画の作成及び工事の実施を適切に行うこと。
- 落下物に対する防護ネットの固定具が落下又は飛散しないよう適切に設置すること。
- 除却工事におけるパラペット等の倒壊を防止するため、あらかじめパラペット等の固定に適した複数の重機で押さえる場合であっても、十分な安全係数の逆転防止用ワイヤーロープを複数張るなどして外側への倒壊防止を徹底すること。
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