災害時に帰宅困難者になることを想定する
東日本大震災では発生当日、首都圏の交通機関がマヒし、当日帰宅できなかった帰宅困難者は約515 万人に達したとみられています。そのうち約9万4,000人は、自治体が開放した学校やホールなどの公共施設等に泊まり一夜を明かしました。今後、首都直下地震が発生した場合、首都圏では最大650万人もの帰宅困難者の発生が予想されています。こうしたことから東京都は、帰宅困難者等の発生による混乱を防止するための一斉帰宅の抑制や児童・生徒等の安全確保などを盛り込んだ「東京都帰宅困難者対策条例」を平成25年4月に施行しました。安全確保を第一に考えて、行動しましょう。
不用意に動かず、安全な場所にとどまる
大量の帰宅者が発生すると、救助・救出活動に支障を来すことになります。このため、条例では原則3日間は一斉帰宅を抑制することとしています。また、危険な状況下での徒歩帰宅は、二次災害に遭う危険性があります。もし帰宅困難に陥ったら、電車などが復旧するまで不用意に動かず、ラジオなどで正確な情報を把握しながら、勤務先や学校など安全な場所で待機することが基本です。
徒歩帰宅する際のポイント
交通機関が機能し始めるなどして、安全な帰宅が可能な状態になったら、以下のポイントに注意しながら、「時差帰宅」 を検討しましょう。
適切な状況判断が重要
まずは、徒歩帰宅するかを適切に状況判断しなければなりません。テレビやラジオなどで正確な情報を把握し、余震や火災・津波 といった二次災害の危険性も考慮します。夜間の歩行が危険な状況であれば、近くの安全な場所に一時避難することや、同じ方向に帰る人をさがしてできるだけ集団で行動するなど、身の安全を第一に考えてください。
何キロ歩けるかを知っておく
東京都は、午後6時に大地震が発生した場合、自宅までの距離が20キロを超えると「翌朝までの徒歩帰宅は困難」と想定しています。歩ける距離ははき物によっても違い、徒歩帰宅訓練を各地で開催している民間団体 「帰宅難民の会」によると、男性の革靴で15キロ歩くと足がマメだらけになり、女性のハイヒールは4キロ歩くのが限度。はきなれたスニーカーを職場などに備えるとともに、普段からできるだけ歩く訓練をしておきましょう。
帰宅ルートを決めておく
幅員の広い幹線道路を帰宅ルートに設定する
幹線道路には、次のようなメリットがあります。
- 広くて歩きやすい。火災の延 焼を防ぎ、熱を遮る
- 損壊しても優先的な復旧が期待できる
- 給水拠点やトイレ、休憩場所などの帰宅支援ポイントが整っている
う回路も広くて安全な道を選ぶ
幹線道路や幹線道路上の橋が通行止めになっていたら、う回路を設定します。その場合もガラスなどの落下物の危険がある箇所、高架下、線路沿いなどは避け、広い道を選びます。
危険な場所は避ける
実際の地震の際には、「近づいてはいけない危険な場所」があります。それは以下のような場所です。
- 倒壊しそうな建物・ブロック塀
大きな地震の後は必ず余震があります。古い建物など は度重なる余震でダメージが蓄積し、倒壊する危険性が あります。ブロック塀も同様です。 - 電柱・電線
コンクリート製の電柱は重量があるため、倒れた場合、非常に危険です。電圧器の落下にも気をつけましょう。また、決して触れてはいけないのが、垂れ下がった電線です。 感電のおそれがあります。 - 落下物
割れた窓ガラスが余震で落下してくることも考えられます。ビルの高層階から落ちてくると、アスファルトに突き刺さるほどの「凶器」になります。また、民家の屋根瓦や植木鉢、繁華街の看板なども危険です。余震ではこれらが落ちてくることを想定して、頭上に十分注意を払いながら歩く必要があります。 - 火災
火災が起きている地域も危険です。遠くに煙や炎が見えるほどであっても、火災は思わぬ速さで広がるため、その場所には近づかないことが大切です。また、ガス臭にも気をつけましょう。これから火災が起きるおそれがあるので、においを感じたら早くその場所から離れましょう。
防災グッズを用意する
携帯ラジオ、スニーカー、 携帯食料、飲料水、懐中電灯、寒暖対策用品、革手袋・ 軍手、地図、マスク、タオル、 携帯電話の充電器、公衆電話を利用するために10円玉といった小銭を勤め先などに用意しておきましょう。
災害時帰宅支援ステーションを活用する
災害発生時には、徒歩帰宅者を支援するため、公共施設のほか、郵便局、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ファミリーレストランなどが「災害時帰宅支援ステーション」として、水道水の提供、トイレの使用、地図・ラジオなどによる情報の提供などをします。
東日本大震災における武蔵野市の帰宅困難者の発生状況
ターミナル駅である吉祥寺駅周辺で、ピーク時に2,000人以上の帰宅困難者が発生。また三鷹駅北口では約300人、武蔵境駅南北では約500人の帰宅困難者が確認されました。そのため、市内3駅の駅周辺及び幹線道路沿いにある8カ所の公共施設を帰宅困難者用一時滞在施設として順次開設しました。避難した約800人の帰宅困難者には、毛布・水・クラッカー等を提供しました。
吉祥寺駅での取り組み
吉祥寺駅は、2事業者3路線の鉄道が結節するとともに、比較的大きなバスターミナルを持つ公共交通ターミナルとなっています。平成21年5月には、吉祥寺駅で発生する駅前滞留者、帰宅困難者対策に取り組むため、駅周辺の事業者等を構成員とする吉祥寺駅周辺混乱防止対策協議会が設立されました。この協議会が中心となり、東日本大震災の経験と教訓を踏まえ、関係機関が協力して「吉祥寺駅周辺混乱防止ルール(吉祥寺ルール)」を策定、帰宅困難者対策訓練も実施し、まちぐるみで混乱防止対策に取り組んでいます。
吉祥寺駅周辺混乱防止ルール
- 一斉帰宅の抑制
- 待機に必要な3日分の備蓄
- 来街者等の保護
- 官民の連携による正確な情報提供
- まちぐるみで帰宅困難者用一時滞在施設の確保
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