第5回 学校施設の安全を確保しています

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ページ番号1026074  更新日 2025年2月4日

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武蔵野市の小中学校は、千川小学校(平成8年築)大野田小学校(校舎棟平成16年築)などの比較的新しい施設もありますが、多くの施設は昭和40~50年代に、木造校舎から建替え、又は児童生徒数増対応のために建築されています。

市ではこれまで法改正等に対応し、校舎等の耐震補強・学校改築(建替え)・予防保全等を行うことで、学校施設の安全確保に取り組んできました。

学校施設の耐震調査、耐震補強工事(完了)

これまでの経緯
年度 内容
昭和55年~昭和63年頃 学校施設耐震調査・耐震補強工事 (第1期)
平成12年~平成18年頃 学校施設耐震調査・耐震補強工事 (第2期)
平成20年~平成21年頃 学校施設耐震調査・耐震補強工事 (第3期)
平成27年~平成30年頃 非構造部材(特定天井)耐震化工事

昭和55年~昭和63年頃 学校施設耐震調査・耐震補強工事 (第1期)

昭和25年に制定された建築基準法では地震による柱のせん断破壊等を想定していなかったため、昭和43年の十勝沖地震では建物が倒壊する等の大きな被害が発生しました。そのため昭和46年に、鉄筋コンクリート柱のせん断を防止するための基準を強化する等の改正建築基準法施行令が施行されました。

市では、昭和46年以前に設計された建物18棟について耐震診断を実施し、補強が必要と判断された建物13棟について、耐震補強を実施しました。

耐震補強の写真
耐震補強の様子(校舎外観)

平成12年~平成18年頃 学校施設耐震調査・耐震補強工事 (第2期)

平成7年に、阪神淡路大震災が発生し耐震改修促進法(建築物の耐震改修の促進に関する法律)が施行されました。また平成12年には、市の公共建築物についても耐震性能の基準を定め、学校施設の耐震性能を確保する方針が打ち出されました。

そのため、昭和56年以前に設計された建物(旧耐震基準で設計された建物)27棟について耐震診断を実施し、補強が必要と判断された建物23棟について、耐震補強を実施しました。

また、大野田小学校については、耐震補強工事に耐えうるコンクリート圧縮強度(13.5N/平方ミリメートル)を満たしていなかったため、学校改築(建替え)を行いました。

耐震補強の写真2
耐震補強の様子(教室内部)

平成20年~平成21年頃 学校施設耐震調査・耐震補強工事 (第3期)

第1期と第2期では耐震診断の基準が異なるため、第1期に補強工事を行った建物13棟について改めて診断を行い、13棟全ての建物で再補強工事を行いました。

また、学校改築(建替え)の必要性についても校舎の状態を含めて検討し、早期に学校改築(建替え)が必要な施設がないことを確認しました。

そのため、平成20年の時点では、ただちに学校改築(建替え)を行わず耐震補強や建物保全を計画的に行い、学校施設の機能や性能を確保しながら長寿命化を図る方針を定めました。

平成27年~平成30年頃 非構造部材(特定天井)耐震化工事

平成23年に発生した東日本大震災では、吊り天井が落下する等の天井に関する被害が各地で発生しました。そのため平成26年に建築基準法施行令が改正され、天井脱落対策の基準が定められました。

市では平成27年度に、対策が必要と定義されている特定天井(天井高6メートル超、天井面積200平方メートル超、質量2キログラム/平方メートル超で人が日常立ち入る場所に設置されている吊り天井)を有する体育館等をすべて調査し、平成28年度から30年度にかけて、既存の天井材を撤去し、天井裏に吸音断熱性能のある吹付材を塗布する等の改修工事を実施しました。

予防保全(劣化保全・改良保全)の事業化 (平成17年度~)

平成16年11月の公共施設保全整備の方針に基づき、平成17年度より予防保全を事業化しました。これは、毎年施設の状況を点検し、劣化が進んだものから予防的に保全を行っていくもので、従来の事後保全と比較し、より計画的、安定的な施設の維持管理を図ることができるようになりました。

保全部位(建物の根幹となる部位・機器)について

種別 保全部位・機器の例
建築 屋根、屋上、外壁、軒裏、バルコニー、外部建具
電気 低圧受電盤、受配電盤、変圧器、高圧遮断機、負荷開閉器、電力コンデンサー、

高圧ケーブル、蓄電池、整流器、動力制御盤、発電設備、分電盤

空調 冷温水発生器、ボイラー、冷凍機、冷却塔、空調機、排送風機、タンク、

空調ポンプ、空調配管

衛生 給水管、給湯管、汚水・排水管、通気管、消火管、ガス配管、貯湯槽、飲料用水槽、

雑用水用水槽、オイルタンク、給水ポンプ、揚水ポンプ、排水ポンプ、給湯ポンプ、

給油ポンプ

防災 自火報、防火扉・シャッター、非常用放送、屋内消火栓、スプリンクラー
老朽化対策 考え方の比較
【参考】武蔵野市における老朽化対策の考え方(一般例との比較)

建築工事の例(第六中学校・屋上防水改修工事)

学校施設に多くある平らな屋根は、勾配がないため排水機能が低く、雨水が残りやすい構造です。雨水をそのままにしておくと、建物内への雨漏りにつながります。そこで防水層を施す工事を行うことにより、雨水の侵入及び屋根の劣化を防止しています。

屋上防水工事の様子
液状のウレタン防水材を塗装しています
サンプル画像
工事後の様子

電気工事の例(境南小学校・変圧器更新工事)

境南小学校では、令和5年度に2部屋の特別教室へ空調機を設置しました。空調機を新設したことで、従来の変圧機の容量を超えてしまうことから、十分な容量の変圧器に更新し、空調機を安定的に稼働できるようにすることで、児童が授業に集中しやすい環境で学習に励むことができるようにしています。

境南小学校トランス
右側の機器が更新した変圧器です
境南小学校トランス
トランスとも呼ばれます

空調工事の例(桜野小学校体育館棟空調更新工事)

桜野小学校では、令和6年度に体育館棟の空調機を更新しました。更新時期を迎えた空調を計画的に更新することで、授業に集中しやすい環境を維持しています。安全面を考慮し、夏休み期間を中心に工事を行いました。

桜野小学校室外機
室外機は、校舎の屋上に設置されています
桜野小学校空調機
更新後の天井埋込形の室内機です

衛生工事の例(第一小学校・受水槽更新工事)

学校には、飲料水を貯める受水槽があります。写真受水槽の中を覗くと、水の量を適正に保つための装置があり、建物に水が供給されなくなったり、水が溢れたりしないようにしています。経年劣化による誤作動などを防ぐため、令和6年度に更新工事を行いました。人目につかない場所にある設備ですが、学校の水道を支える大きな役割を担っています。

受水槽全景
右下に写っている白いタンクが受水槽です
受水槽タンク内
手前の丸いフロートと中央奥の電極棒で水位を感知します

防災工事の例(第一中学校・自動火災報知設備(感知器)交換工事)

感知器は火災の煙や熱を早期に感知して、信号を発信する設備です。落雷などにより感知器が故障した場合は、交換工事を実施しています。

感知器を交換する様子
体育館天井に設置された感知器を交換しています
工事後の様子
交換が終わった古い感知器です

防災工事の例(第三中学校・自動火災報知設備(受信盤)交換工事)

受信盤は、感知器からの信号を受信して、校内に警報を発する設備です。定期点検において劣化が判明した場合には、交換工事を実施しています。

第三中学校受信盤
受信盤は用務員室に設置されています
受信盤の中
受信盤内の様子です

防災工事の例(第三中学校・消火ポンプユニット交換工事)

火災が発生した際は、廊下にある消火栓内のポンプから水を放射して消火活動を行います。その際、地下の消火水槽から消火栓に水を送り込むための装置が消火ポンプユニットです。更新工事を行うことで、初期消火活動を確実にできるようにしています。

三中消火ポンプ
普段入る機会のないポンプ室にあります
消火栓
廊下に設置されている消火栓です
消火栓の中
消火栓の扉をひらいた様子です

平成30年~ 学校ブロック塀の安全対策

平成30年6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震による学校のブロック塀の倒壊事故を受け、市では学校敷地のブロック塀等の緊急点検を実施しました。

その結果、建築基準法の改正等により、高さや控え壁に関する現在の基準を満たしていない箇所について撤去及び改修工事を行っており、近日中にすべての改修工事を完了させる予定です。

武蔵野市の学校建物のこれからについて

このように、武蔵野市の学校は、時代に合わせた耐震改修や予防保全を行うことで長寿命化を図り、機能性・安全性を確保してきました。

しかし多くの建物は一般的に鉄筋コンクリート造建築物の更新時期と呼ばれる築後60年をまもなく迎えることから、今後の武蔵野市の学校施設の在り方を考える時期に来ています。そのため、武蔵野市では今後の学校施設の更新について「学校施設整備基本計画」を策定し、計画的な更新を行っていきます。

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