損害賠償請求事件(用途地域窓口相談国家賠償請求事件)

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ページ番号1010984  更新日 2016年7月29日

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用途地域の指定について、市が誤った回答をしたとして、損害賠償を求める事件の概要です。

本事件は、下級審の概要から掲載しています。

平成19年(ワ)第31364号 損害賠償請求(国家賠償)事件(第1審)

  • 当事者
    原告 X
    被告 武蔵野市
  • 経過
    平成19年10月5日 東京簡易裁判所提訴
    同年同月22日 東京地方裁判所移送
    平成21年1月21日 判決
  • 管轄
    東京地方裁判所

概要

平成18年2月13日、武蔵野市建築指導課で、原告に建物設計を依頼された設計士が、原告が所有する宅地(以下「本件土地」という。)の用途地域の指定を尋ねたところ、女性職員より「近隣商業地域」であると回答を受けた。

平成18年12月4日、本件土地の一部が「第一種低層住宅専用地域」であることが判明したため、再度設計作業全般をやり直す必要が生じ、固定資産税・都市計画税の軽減措置が受けられる平成19年1月1日までに建築確認申請をすることができなかった。

原告は、以上のとおり、主張し、「武蔵野市は、故意又は過失により、本件土地の用途地域等につき正確な情報を提供する義務を怠っていたので、国家賠償法第1条第1項に基づき、原告の被った損害を賠償する義務がある。
」として、武蔵野市に対し、約43万円の支払いを求めて提訴したものである。

判決主文

(1) 原告の請求を棄却する。
(2) 訴訟費用は原告の負担とする。

判決理由

建築指導課及びまちづくり推進課の業務に照らすと、女性職員が設計士に対して、市報版都市計画図によって用途地域の説明をしたとは直ちに認めがたい。

女性職員が設計士に説明をしたとしても、本件土地の位置を設計士が正しく示したのかどうかは疑問の余地があり、この点を明らかにする証拠はない。

よって、被告の職員が本件土地の用途地域につき誤った説明をしたとする設計士の供述は直ちに採用し難く、他にも、被告の職員が設計士に対して、本件土地の用途地域につき誤った説明をしたとの事実を認めるに足りる証拠はない。

平成21年(ネ)第1002号 損害賠償請求(国家賠償)控訴事件 (第2審)

  • 当事者
    控訴人 X
    被控訴人 武蔵野市
  • 経過
    平成21年2月2日 控訴
    同年11月12日 判決
  • 管轄
    東京高等裁判所

控訴理由

設計士の証言は信用に足るものであり、被控訴人の女性職員が本件土地の用途地域について誤った説明をしたことは明らかであるから、原判決は破棄されるべきである。

判決主文

(1) 本件控訴を棄却する。
(2) 訴訟費用は、控訴人の負担とする。

判決理由

  1. 請求原因(1) (被控訴人職員の本件土地の用途地域に関する誤った説明)について
     本件土地の特定に関する設計士の証言内容は相当曖昧で、特定が確実になされたかは極めて疑問であり、女性職員は設計士の特定を前提に回答をした可能性が高いため、同職員が誤った説明をしたとの事実を認めるには足りず、他にこれを認めるに足りる的確な証拠はない。
  2. 請求原因(1)の事実が認められないから、控訴人の請求はその前提を欠き、理由がない。
    のみならず、控訴人の請求は次の点からも理由がない。
     控訴人が、設計士との間で請負契約をしたのは、設計士が控訴人市役所にて本件土地について質問をした後であり、設計士が控訴人からの委託を受けて情報提供を受けたと認めるに足りる証拠がない。
     よって対応した職員が適切な情報を提供すべき義務を負うのはあくまでも設計士に対してであり、控訴人に対してその義務を負っていたというのは困難で、仮に同職員が誤った回答をしたとしても、適切な情報提供義務違反等による控訴人への権利侵害が存在するということはできない。

平成22年(受)第520号 損害賠償請求上告受理申立事件

  • 当事者
    上告人兼上告受理申立人 X
    被上告人兼相手方 武蔵野市
  • 経過
    平成21年11月24日 上告、上告受理の申立て
    平成22年1月19日 上告人が、上告(上告の理由を、憲法の解釈に誤りがあるか、又は憲法違反があることを理由とするもの)の取下書を、最高裁判所に提出(よって以降は、上告受理の申立て(最高裁判所の判例と相反する判断があると申し立てるもの)についてのみ審理)
    同年5月10日 決定
  • 管轄
    最高裁判所

上告趣旨

原判決を破棄し、さらに相当の裁判を求める 。

決定主文

(1) 本件を上告審として受理しない。
(2) 申立費用は申立人の負担とする。

決定理由

本件申立ての理由によれば、本件は、民事訴訟法第318条第1項により受理すべきものとは認められない。

よって、平成21年11月12日付東京高等裁判所判決が確定した。

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