損害賠償請求事件(住民訴訟)

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ページ番号1053138  掲載日 2025年12月24日

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令和4年(行ウ)第410号損害賠償請求事件(住民訴訟)(第1審)

  • 当事者
    原告 X1及びX2
    被告 武蔵野市長
  • 経過
    令和4年8月25日 提訴
    令和6年10月10日 判決(現在、第三審まで係争中)
  • 管轄
    東京地方裁判所

概要

原告が、市において、吉祥寺本町1丁目2125番3の土地の取得及び吉祥寺本町1丁目2103番3の土地の売却を行ったことについて、違法であると主張して、当時の武蔵野市長個人に対して損害賠償請求権の行使を求めるよう、執行機関である武蔵野市長を被告として、令和4年8月25日、東京地方裁判所に訴えを提起した事案である。

判決概要

次の点から、原告の被告に対する請求をいずれも棄却した。

ア 本件土地売却契約を随意契約によることの可否

本件土地売却契約の締結は、「地方公共団体の利益の増進につながると合理的に判断される場合」、ひいては地方自治法施行令第167条の2第1項第2号の「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」に該当する。従って、随意契約により土地を売却したことは違法ではない。また、原告が主張する大蔵省理財局長通知は、国が国有地を公共事業の代替用地とするために地方公共団体等の事業者に売り払う場合の取扱基準であって、普通地方公共団体である武蔵野市に適用されるものではない。原告の主張は採用することができない。

イ 裁量権の範囲の逸脱又はその濫用の有無

(ア) 判断枠組み

地方公共団体の長がその代表者として土地の購入又は売却する契約を締結することは、当該土地を売買する目的やその必要性、契約の締結に至る経緯、契約の内容に影響を及ぼす社会的、経済的要因その他の諸般の事情を総合考慮した合理的な裁量に委ねられている。

(イ) 取得した土地について

原告は当該土地が隣接地と一体地となっても増分価値は発生しないと主張し、これに沿う原告の鑑定を提出した。しかし、専門家である複数の不動産鑑定士が、市が依頼した不動産鑑定士の鑑定評価額を妥当としていることからずれば、市が依頼した不動産鑑定士の評価は不合理とはいえない。

(ウ) 売却した土地について

原告は増分価値の配分方法は不当である等と主張し、これに沿う原告の鑑定を提出した。増分価値の配分方法は、原告が提出した鑑定相互間でも異なっているから、原告の主張によっても、本件における増分価値の配分方法が一義的に決まるものではない。これに対し、武蔵野市監査委員から学識経験者として意見を聴取された不動産鑑定士は、普通地方公共団体の行う売買であることを考慮すると、市が依頼した不動産鑑定士の採用した配分方法は、透明性及び公平性の確保並びに分かりやすさの観点から首肯できるとしている。そうすると、市が依頼した不動産鑑定士の採用した配分方法について不合理とはいえない。

(エ) 1者鑑定について

原告は1者鑑定であったことについて、武蔵野市契約事務規則第41条に反し、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用であると主張するが、同条は随意契約の際に「なるべく2者以上から見積書」を取得することを定めているものの、見積書とは契約の相手方から取得するものであって、不動産鑑定士による鑑定を指すものではない。

(オ) まとめ

以上のとおり、本件各売買契約を締結した当時の市長の判断が、その裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものとして違法であるということはできない。

ウ 契約締結過程における武蔵野市自治基本条例違反の有無

武蔵野市自治基本条例第25条(行政手続)は、本件各売買契約の締結に適用されるものではない。また、武蔵野市自治基本条例第10条第1項(情報公開)、第12条(説明責任)、第15条第1項(市民参加の手続等)はいずれも努力義務を定めたものであることがその文理上明らかであるところ、仮にそれらの努力義務違反が認められたとしても、そのことから直ちに、地方自治法第138条の2の2の誠実執行義務に違反したということはできない。なお、武蔵野市は、各売買契約の立案、決定、実施の各段階において、市民や市議会に説明を行う等していたのであり、当時の市長が各努力義務を無視したとまでは認められない。

令和6年(行コ)第282号損害賠償(住民訴訟)請求控訴事件(第2審)

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