令和6年度 生物生息状況調査
私たちの身の回りには、さまざまな生きものが生息・生育しています。生きものたちを守り、豊かな自然を未来につないでいくため、武蔵野市は生物多様性を保全する取り組みの一つとして、概ね5年おきに市内の生きものの生息状況調査を行っています。
専門の調査員が実施する調査のほか、市民のかたと一緒に生きものを探し、生物多様性について学ぶ調査も併せて実施しました。
市民参加型調査(1)アプリを活用して生きものの目撃情報を募集(終了しました)
市内には身近な自然がたくさん!夏休みは生きもの調査に参加して、いろんな生きものを見つけに出かけよう
みんなが知っているもの、ちょっと珍しいもの、やっかいな外来種。市内でも思っているよりずっとたくさんの生きものに出会えます。夏休みは生きもの調査に参加して、身近な自然観察を楽しみませんか。
調査の概要
- 調査の期間:令和6年7月20日(土曜日)~8月31日(土曜日)
- 調査の範囲:武蔵野市内
- 対象者:どなたでも
- 調査の対象:武蔵野市内に生息・生育する動植物なら何でも可
- 調査の方法:株式会社バイオームの[いきものコレクションアプリ「Biome」]を活用して、生きものの目撃情報を募集しました。
市民参加型調査(2)生きもの探しイベントとワークショップ(12月・1月開催)
12月 武蔵野市の土の中の生きものたちをしらべよう!
土の中の生きものたちは、普段人の目に触れることはほとんどなく、私たちが生活しているうえで関わりを感じることは難しいかもしれません。しかし、落ち葉や動物の死体などを分解して土を豊かにしてくれる生きものもいて、生態系の一員としてなくてはならない存在です。
イベントでは、大人8名、小学生8名が参加し、土の中の生きものについてミニ講義を聞いたあと、実際にむさしの市民公園の土の中の生きものを観察しました。
日時
令和6年12月15日(日曜日)午後1時30分から3時
場所
むさしの市民公園
プログラム
- 13時 受付
- 13時30分 土壌動物(土の中の生きもの)のミニ講義、注意事項の説明
- 13時50分 公園内3地点から土壌の採取、土の中の生きもの探し、観察
- 14時40分 調査結果の取りまとめ、考察
調査の概要・様子
参加者はミニ講義で土壌生物の基本的な情報を学んだあと、3チームに分かれ、チームごとに公園内の土壌環境の異なる3地点(かだんゾーン、草むらゾーン、フェンスゾーン)から土壌と落ち葉を採取し、その中から小さな生きものを探しました。見つけた生きものは地点ごとに小型のビンに集め、グループ分けして記録しました。
調査の結果
どの地点の土からどんな生きものが見つかったか。その結果から、生きものが多く見つかったところ、少なかったところはそれぞれどんな土壌環境だと考えられるのか、考察を行い、概ね以下の結論となりました。
採取場所 | 結論 |
---|---|
かだんゾーン | 他の地点と比べて土が柔らかく、隠れ場所となるすきまも存在するため、最もたくさんの生きものが見つかった。 |
草むらゾーン | 土が湿っているものの、かだんゾーンと比べると固さがあってすきまも少ないため、見つかった生きものの数は3地点中2番目だった。 |
フェンスゾーン | 土が乾燥していて、土の中で暮らす生きものが生息するには厳しい環境であるため、他の地点と比べて発見数が少なかった。 |

見つかった生きものたち
今回の調査では、土の中で暮らすたくさんの小さな生きものを見つけ、観察することができました。その一部を紹介します。
採取場所 | 見つかった生きものたち |
---|---|
かだんゾーン | 陸産貝類、甲虫、ワラジムシ、ゴミムシ、カメムシ、イシムカデ、アリ、トビムシ、クモ、ダンゴムシ、ハエ・アブ(幼虫)、ダニ |
草むらゾーン | オオムカデ、陸産貝類、ジムカデ、甲虫、ワラジムシ、カメムシ、アリ、トビムシ、クモ、ダンゴムシ、ハエ・アブ(幼虫)、ダニ |
フェンスゾーン | オオムカデ、陸産貝類、甲虫(幼虫含む)、カメムシ、アリ、トビムシ、クモ、ダンゴムシ |
1月 冬空に羽ばたく蛾をみてみよう!~チョウとはちがうガの魅力、知れば知るほど好きになる~
昆虫類は春~夏に活動的になる種が多く、冬に活動するものはあまり多くありません。そのような中、あえて寒い冬の夜間に活動する不思議な昆虫が、フユシャクやキリガなどのガの仲間です。日本に生息するこれらガの仲間は、チョウより20倍も種数が多いにも関わらず、認知度は低く、あまり良い印象を持たれていないかもしれません。
本イベントでは、大人16名、小学生18名が参加し、ガについてミニ講義を聞いたあと、市役所周辺で実際にフユシャクとキリガの仲間を観察しました。
日時
令和7年1月25日(土曜日)午後4時30分から5時50分
場所
むさしのエコreゾート、市役所周辺
プログラム
- 16時 受付
- 16時30分 キリガ・フユシャクなどガの仲間のミニ講義、注意事項の説明
- 16時55分 市役所周辺の2カ所でキリガ・フユシャク探し、観察
- 17時45分 調査結果の取りまとめ
調査の概要・様子
参加者はミニ講義でガ類の基本的な情報を学んだあと、2チームを作り、市役所周辺の2つのゾーン(さくらゾーン、どんぐりゾーン)に分かれてガを探しました。日暮れ後の調査のため、事前に糖蜜トラップを仕掛けておいた場所を中心に、ライトを向けながら注意深く探索しました。見つけたガは、生きものを大切にするという観点から採集はしないこととし、その場で観察しました。
調査の結果
ウスバフユシャクのオスが8個体、さくらゾーンで発見されました。さくらゾーンはソメイヨシノが、どんぐりゾーンはブナ科の樹木が植栽されているエリアです。ウスバフユシャクの幼虫がサクラ類を主な餌とすることから、どんぐりゾーンは食草に適しておらず、発生場所がさくらゾーンに偏った結果となりました。
なお、今回の調査では残念ながらウスバフユシャクのメスや本種以外のガが確認できなかったため、別の場所で採集したイチモジフユナミシャク(メス)、ヨスジノコメキリガ(オス)、キバラモクメキリガ(オス)というガも観察しました。
最後に、キリガ・フユシャクの仲間に関するクイズにも挑戦しました。
質問 | 答え |
---|---|
キリガの甘い蜜(トラップ)は、どんなところにしかけていましたか? |
葉っぱの上 |
キリガの甘い蜜(トラップ)には、何が入っているでしょうか?においをかいでみると分かるかもしれません。 |
オレンジジュース・お酢・ビール |
フユシャクは、どんなところの近くで見られますか? | さくらの木 |
フクシャクのメスには、どんな特徴がありましたか? | 足が長い |
実は面白いガの生態
本イベントで調査対象としたフユシャクとキリガの仲間は、とても面白い生態を持っています。その一部を紹介します。

メスは羽が完全に退化していて飛ぶことができません。オスは一般的なガに見えますが、口が退化していて一切ものを食べられません。

夕暮れ時に糖蜜を仕掛けておくと、日没直後に吸汁のために集まってきます。花の蜜を吸うチョウのように、ツバキ類の花にも集まります。
専門調査員による専門調査
武蔵野市内の自然資源の現状把握のために、専門の調査員が市内12カ所で調査を実施しました
調査の期間
春季:令和6年5月14日~5月29日(予備日含む) ・・・【終了】
夏季:令和6年7月19日~7月24日(予備日含む)・・・【終了】
秋季:令和6年9月18日~10月9日(予備日含む)・・・【終了】
冬季:令和7年1月21日~1月23日(予備日含む)・・・【終了】
調査の対象
植物、哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、昆虫類、水生動物
調査の範囲
市内12地点(代表的な環境タイプである樹林・草地・水辺・農地)を選定
調査地点
- 都立井の頭恩賜公園
- 成蹊大学
- 吉祥寺の杜 宮本小路公園
- 西久保公園
- 関前公園(グリーンパーク緑地)
- 都立武蔵野中央公園
- 亜細亜大学
- 境山野緑地
- 農業ふれあい公園
- 千川上水
- 桜堤公園
- 都立小金井公園
調査の方法
専門調査員の現地踏査による目視を原則とし、鳴き声や痕跡等によっても生息を確認します。また、昆虫類・水生生物については、捕虫網やタモ網を用いた採集確認を行います。
令和6年度生物生息状況調査の結果について
市民参加型調査でみんなで見つけた生きものの情報と専門調査の結果をとりまとめました。調査地区で見られた特徴ある生きものについて紹介しています。

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。
より良いウェブサイトにするために、ページのご感想をお聞かせください
このページに関するお問い合わせ
環境部 環境政策課
〒180-8777 東京都武蔵野市緑町2-2-28
電話番号:0422-60-1841 ファクス番号:0422-51-9197
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。