第7回 施設基本計画策定委員会
- 日時:平成22年9月30日(木曜日)
- 場所:武蔵野クリーンセンター3階見学者ホール
- 傍聴:4名
第2回合同勉強会報告
「白煙排出実証実験」及び「煙突高さの検討」について、事務局より合同勉強会で提出された資料及び交わされた意見等について説明。


委員の意見

- 煙突の高さについて、一般的には公害防止の観点から拡散度を高めるため、高くしてくれという意見が多い。東京二十三区清掃一部事務組合の場合、地域の特性等を考慮して煙突の高さを行政が提示するというやりかたをしており、ほとんどそのまま提示したものが採用される。太田工場は羽田空港の関係で100メートルを下回るが、他は住民要望とも合致した形で高い煙突となっている。近年、建て替える場合には、既存煙突と同じ高さを採用している。財政の問題を除けば基本的には高くしてほしいという議論が優勢だった。
- 排ガス処理レベルが低い時代に煙突が出来た。どうやったら煙突を赤白にしないかということが大きな議論となっていた時代もあった。煙突らしくない煙突にしてほしいという意見が多かった。煙突を低くという議論は全国でも類を見ず、先駆的な議論であると思う。また、白煙防止装置については一昨年より出た高効率発電の国の方針に対応したものであるが、環境対策と温暖化対策がトレードオフの関係にある。実験説明のリーフレットなども、非常に斬新であり、全国的なモデルになると思う。
- 環境保全対策のためにはいくらでもお金を使ってよいという話があるが、今回の話を突き進めると、リスク対策に他の費用を使うことになっていき、新しい議論となる。
- シミュレーションを行い、最終的に一番濃くなる地点はどこで、どれくらいになるのかを計算し、それがその地域の環境に影響を及ぼす濃度なのかを調べ、環境に影響を及ぼさない濃度であることを確認しながら計画を進める。国が定めた環境基準を指標とする。
- 排ガスは、煙突から出るときに一定のスピード(秒速20メートルくらい)で出て行く。さらに、温度を200度くらいにするということもある。煙突から出た後排ガスはまっすぐ上がって、拡散を始めるが、この地点までを有効煙突高さという。設計の仕方で違うが、送風機で加速している。そして、ノズルを先端で絞ると加速する。
- 強力な送風機を付ければ、煙突の高さを高くするよりも安く、有効煙突高さを高く出来るのではないか。
あまり排ガスの排出速度を上げると「笛吹き現象」といって音が出るので、そんなに速度を上げられない。 - ふじみ衛生組合においては、煙突を出来るだけ高く、建物は低くという議論が主であった。基準値がどれだけ小さくても複合的な問題があるので、数値を出来るだけ小さくして欲しいという話であった。80メートルと100メートルの比較を行ったが、シミュレーションの結果は特に変わるものではなかった。しかし、結局100メートルにするという結論に至った。周辺住民が59メートルで良いというのであればそれで良いのだが、本当に良いのかちゃんと見るべきだという心配を持つ。
- 排ガス規制値と煙突の高さはセットであるという意見についてだが、規制値というのは煙突を出る時の濃度の話である。また、車両から出る排ガスとも複合的に影響を及ぼす。それをコントロールするのは排ガスの出口の位置であり、煙突の高さである。
- 環境基準は、これを守れば人の生活環境や健康に影響を及ぼさないという基準値である。そして、関前局データというものは、車の排ガスなどの全ての影響による現況値であり、これが環境基準をはるかに下回るということで、さらにこれに付加濃度が特に影響を及ぼさないということなので、安全であるということである。
- 関前局のデータだけで、まだ分かっていないものがあるのでないか。ダイオキシン類の堆積濃度について、まだ安全性は確認されていないと考えている。ダイオキシン類は分解されないので、何十年か経った時に、水俣病のような問題が出ることを懸念している。そういうことを理解したうえで、まだ分からないことについては良いというのであれば良いのだが。
- 煙突の高さを高くしても、拡散をするだけであって絶対量は何も変わらない。他の工場が煙突を高くすれば、逆にこちらに来る量は多くなるということを認識しなければならない。安全であるならば40メートルにしても良いのではないかという議論もあったが、周辺の建物の高さが上がっているので、それほど低くは出来ないだろう。また、クリーンセンターからの排ガスが周辺環境にどれくらい影響を及ぼしているのだろうかと考えてみると、1000分の1や1万分の1というオーダーではないか。煙突の高さをコストで考えると二乗になると考えられるが、こういった状況の中で煙突を高くすることが納税者の納得を得られるだろうか。
- 今の技術で発見されない何かが無いのかという懸念もあるが、それは最先端の研究をしている学者等に聞くなどを行わなければならない。排ガス拡散シミュレーションにおいて、実測できない数値を記載した資料の信憑性に疑問がある。0.01ppm以下は検出できない数字であるということであれば、将来濃度は両方とも「約0.03ppm」となるような記載が良いと思う。周辺住民に説明をする時に、納得できる資料の作成が必要である。
- 国の環境基準に対して、現在でも相当に低い数値の自主基準値を設定しており、新施設ではその3分の1くらいにする。ダイオキシン類はどんどん溜まっていくということはあるかもしれない。しかし、59メートルと100メートルとでは、拡散して検出される数値にほんの微量の違いしかない。また、炉の規模も小さくなる訳で、排ガスの総量も減る。乾式に変わったときに煙突から排ガスが同じようなスピードで出るのであれば59メートルでよい。
- 安全・安心は一番であるが、100メートルの煙突のモンタージュを見たところ、巨大に感じる。排ガスの総量は変わらないという事もあり、周辺に住む立場として、59メートルが良いと思う。
- 新施設は触媒脱硝塔を付けるので、触媒が反応する温度に上げてから出すため、温度は今より高い。だから、今より有効煙突高さは高くなると考えられる。
- 住民にとって、見慣れた光景は大事である。風景が変わるということで抵抗がある。100メートルの煙突が出来ると抵抗感があるが、さらに場所についても問題である。出来れば現在の煙突を利用できればより良いのではないだろうか。
- ダイオキシン類というのは、現在も出ているのか。
出ているが、健康に被害があるレベルではない。環境報告書に、土壌ダイオキシン類の実測値が乗っているが、1000pg/TEQの環境基準に対して、全て1桁から2桁である。調査開始の頃から考えて、特に増えてはいない。 - 料理をしてもダイオキシン類は出る。クリーンセンターの影響が、どれくらいの割合を占めているかが大事である。
農薬や火山灰などにも含まれている。1000pg/TEQというのは農地の基準であり、それであれば農業に使っても問題がないという基準である。 - ダイオキシン類の毒性であるが、少なくてもかなり危険なものである。1000pg/TEQであるが、ダイオキシン類の基準値のみ法規制値を入れている。これでいいのだろうか。
- ダイオキシン類の形状パターンによって、クリーンセンター由来のダイオキシン類であるのかどうかを、根気よく追跡調査をするべき。継続的に環境健康診断をしており、25年間健康被害が無いかどうかをチェックしている。今分からない問題が出てくるかもしれない。しかしそのときに、かつてダイオキシン問題が出てきた時のように、すぐ対応してもらえるという信頼関係があればこそ、煙突は59メートルにして良いのでないだろうか。
- 煙突高さの問題については電波障害の問題や、白煙の問題や、保健衛生上の問題他、多種多様な問題がある。これを、絞り込んでいく必要がある。全て大事な問題であるから、これらをまとめて議論すると、とてつもなく長い議論が必要になる。焦点を絞って議論をするよう舵取りが必要である。
生活環境影響調査の検討及び配置・動線計画(案)
委員の意見・質問
- 生活環境影響調査の表は、もっと見やすくすべき。
- レイアウトの件だが、煙突の位置を決めるにあたって、周辺とどう調整するのか。
新施設は現施設より北側にしないという話をしている中で、煙突をスポーツエリアに出すつもりは無い。 - 野球場の駐車場やクラブハウスについて、少し削れば余裕が出るのではないだろうか。出来れば、野球場とのラインがまっすぐになるような配置は出来ないか。
クラブハウスと駐車場はすでに、この施設案では使っている。 - 市の考えとしてはスポーツも大事だと考えているのだろうか、今後大切な環境のためにはこれまでの前提を乗り越えて議論していけないか。施設の配置案を出す場合、現用地を前提にせず自由に考えられないか。
- 工事段階には野球場に相当影響が出るのであろう。現状ではこうで、工事段階ではこうなり、最終的にはどうなるという、テニスコート・野球場を含んだ視点で議論をしていきたい。
- グランドデザインを検討できるということは素晴らしい。小金井にも関わったが、全く関わることが出来なかった。煙突の高さについては整理して、いっぱい出た議論が蒸し返すようなことにならないようにしてほしい。地元住民の意見が大事だと思うが、その人たちが59メートルが良いというのは画期的なことだと思う。
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