アレクサンドラとショータのストーリー
ホストタウンムサシノの公式キャラクターを紹介します

ブラショフ市で日本語を勉強している。日本のアニメや漫画が大好きで、友達と好きなキャラクターのコスプレをして遊んだり、YouTubeで探した日本のアイドルの踊りを練習している。いつか日本に行ってみたいと願っている。

生まれ育った武蔵野市に愛着があり、休日も結局遠くには行かずに吉祥寺でぶらぶら過ごすことが多い。最近始めた写真が趣味。ルーマニアのことはあまり知らなかったが、ルーマニア人の女の子のホストファミリーをすることが決まり、少しずつ興味を持つようになっている。
お気に入りの赤いTシャツを着た彼女は、遠い国の青い空の下で、優しい風に金色の髪をなびかせている。
たどたどしい日本語で、スマートフォンの小さな画面の中で、はにかみながら話す彼女の姿を、いったい何度再生しただろう。
「きっかけ…は、日本のアニメでした」
特別な暑さで始まった夏休みのある日、母は突然宣言した。
ルーマニアのホストファミリーに、登録してきた、と。
今から30年近く前。中学生だった母は、ルーマニアからやってきた交響楽団の演奏を聴いた。時代に翻弄され、弦が切れても買えないほど困窮していた彼らが、どのようにして海を渡ってきたか。来日実現までのエピソードに、いたく感動したらしい。
そんな母の意外な過去も、ホストファミリーという言葉の意味も、聞いたのはその夜が初めてだったけれど、いつからかぼくも、その国に興味が湧いていた。歴史や文化、ファッションやグルメ。でも、調べるほどに気がついた。希望を胸にやってくる、まだ見ぬ留学生に伝えられるほど、ぼくは自分の国を、自分のまちを、そして何より自分のことを分かっているだろうか。
彼女の乗った飛行機が、予定外に早く到着したその日、母と彼女は見事に空港ですれ違った。乗り換え手段を確認し、最寄り駅まで誘導するのは、急遽ぼくの役目になった。
指定した改札口には誰もおらず、反対側に回ってみるとそこに彼女が立っていた。声をかけようとして、挙げかけた手が一瞬止まる。彼女は地図をにぎりしめ、それを額にかざし、よく晴れた空を見上げていた。スマホの画面に広がる、遠い彼女の国と同じ色の空を。
「アレク…サンドラ?」
こっちを向いて、ちょっととまどった表情のあと、彼女はようやく微笑みを浮かべた。安堵の溜息のあとに、聴き慣れていた、あの弾けるような笑い声が、ぼくの心を駆け巡った。
そう、きっかけは、いつでも、どこにでも転がっている。
アニメだったり、音楽だったり。そして、素敵な笑顔だったり。
ぼくも一緒に、地図を広げよう。
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