ブックタイトル2012武蔵野市市勢要覧(2014年一部改訂版)
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2012武蔵野市市勢要覧(2014年一部改訂版)
食を育む昔も今も、個性豊かな武蔵野の食ウドや地粉うどんなど、古くから土地に息づく伝統食の継承や、地域に根付いた農業、さらには楽しい食のお祭りの開催など、幅広い食文化を楽しめる武蔵野市。豊かな食の風土が息づいています。地域の人々とともに育てる農業武蔵野市にはかつて多くの農家が存在していましたが、市街地化が進み、次第に減少していきました。しかし、農業者の努力で市内には現在も農地が残されています。近年では、自然との触れ合いや食育の場、さらには市民の安らぎを支える空間として見直されています。武蔵境駅から、わずか200メートルという近い距離にある「竹内果樹園」もそんな場所の一つ。江戸期から代々受け継がれたこの土地は、養蚕や養鶏、野菜生産など、時代とともに形を変えてきましたが、1960年代後半からは、現在の果樹園として地元に根付いています。「地域の方々に参加してサポーターになってほしい」という考えから、「もぎ取り形式」で販売を行っており、8月から9月のブドウ・ナシのもぎ取り開催日は、大勢の方々が集まります。ほかにも、枝を低くおさえることで子どもたちも参加できる珍しい柿のもぎ取りや、西洋ナシ、キウイなど、12月中旬までおいしいフルーツがめじろ押しです。緑化や生物多様性などの環境問題にも取り組むなど、地元になくてはならないコミュニティの場ともなっています。東京ウド春の訪れを告げる伝統野菜「ウド」。実は吉祥寺が東京の栽培の発祥地であることをご存じですか。江戸後期にはすでに栽培が始まり、昭和40年代の最盛期には、生産農家は66軒。現在はわずか6軒となったものの、その味わいは確かに未来へと受け継がれようとしています。栽培の主流は、あなぐらしきなんかほう地中の室で育てる「穴蔵式軟化法」。光を遮り一定の温度を保つことで、真っ白で質の良いウドができる栽培法です。しかし、天井の低い室での作業は重労働。高い評価を受ける武蔵野市産のウドですが、そのおいしさはまさに生産者の努力のたまものといえるでしょう。JA東京むさしが運営する「武蔵野新鮮館」では、毎年取れたての市内産ウドを販売しており、さわやかな香りとしゃきっとした歯ごたえを気軽に味わうことができます。唐辛子で武蔵境をホットに昭和初頭まで、武蔵野では唐辛子が土地の名物でした。武蔵境地域でも栽培されていたこの唐辛子を通じて、地域の人々がまちを活性化し、食の大切さを伝える取り組みをしています。「さかいHOTほっとプロジェクト」と銘打った取り組みは、武蔵境地域の飲食店が唐辛子や激辛調味料を用いたオリジナルメニューを提供し、ホット(辛い)な武蔵境を全国に発信しています。また、地元農家で実際に唐辛子の栽培を行い、子どもたちが苗植えや収穫を体験することで、地域の自然に触れ、食の大切さを感じてもらう「アグリ体験プロジェクト」を行っています。14